大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(オ)1125 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人勅使河原直三郎の上告理由(後記)について。

所論は、要するに本件の運転免許取消処分は違法であり、かつ上告人の生存権を

失わしめるものであるから、個人の生存権を保護することを建前とする憲法に違反

するというのである。しかし原判決の認定した事実に基いて判示理由を考究してみ

ると、判示のような状況の下で被上告人B県公安委員会が、運転免許停止の処分を

選ばず、取消処分を選んだことは相当であつて、その権限に属する裁量の範囲を越

えたものとは認められず、原判決の判断になんら違法はない。また違憲の論旨は、

単に免許取消処分が違法であることを違憲に名を藉りて主張するに過ぎないばかり

でなく、憲法二五条の法意は、国家が国民に対し健康で文化的な最低限度の生活を

営ましめる責務を負担し、これを国政上の任務とする旨を宣言する趣旨であつて、

この規定により直接各個人の現実的な生活権を保障する趣旨でないことは、当裁判

所の判例とするところであるから、上告人個人の事情に基いてその生存権を失わし

めるものであるという主張を前提とする論旨は、すでにこの点において理由がない

(昭和二三年(れ)第二〇五号同年九月二九日大法廷判決、集二巻一〇号一二三五

頁参照)。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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